私は現在、国立大学医学部で技術系非常勤職員として働いています。
しかし、この記事を読んでくださっている方の中には、大学非常勤職員についてあまりご存じない方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで今回は私の大学を例にとり、大学非常勤職員を労働条件の面からご紹介いたします。
目次
大学非常勤職員の定義と名称、および業務
大学の就業規則では、私が言う非常勤職員は短時間勤務有期雇用教職員と呼ばれ、
「期間を定めた労働契約により1週間の所定の勤務時間が30時間を超えない範囲内で雇用する者」
と定められています。
また、業務内容によって、以下のうちいずれかの名称が付与されます。
- 事務補佐員 事務に関する職務を補佐する業務
- 技術補佐員 技術に関する職務を補佐する業務
- 技能補佐員 技能に関する職務を補佐する業務
- 教務補佐員 教務に関する職務を補佐する業務
- 医療技術補佐員 医療技術に関する職務を補佐する業務
- 看護技術補佐員 看護師の職務を補佐する業務
- 臨時用務員 労務作業に従事する業務
ちなみに私は技術補佐員です。
大学によって技術員や実験助手など名称が異なりますが、業務内容はほぼ同じと考えてよいと思います。
労働条件
労働条件は以下のようになっています。
契約期間
単年度契約で、最長5年です。
5年を超えると雇用期間の定めのない無期雇用に転換申込みできます。
その場合、原則として定年まで毎年契約更新されます。
業務内容
業務内容は上でご紹介した通りです。
基本的には常勤職員の業務のサポートをします。
ただし、所属する研究室によって業務内容が大きく異なり、常勤職員と比べても遜色ない仕事をされている方も少なくありません。
就業時間
週5日・30時間勤務という条件が一般的です。
休憩は1時間です。
所定時間外労働・法定時間外労働
あります。
ただし、研究室によっては時間外労働が発生しないように業務内容を調整することもあるようです。
休日
カレンダー通りです。
したがって、土日祝日はお休みです。
賃金等
時間給で、1,300円前後です。
学歴や職務経験によって多少変動します。
昇級
昇級は残念ながらありません。
契約期間中、同一条件で働くことになります。
諸手当
超過勤務手当と通勤手当が支給されます。
退職手当
支給されません。
契約期間満了で退職する場合はあまり問題にならないと思いますが、無期転換に申込む際には留意する必要があります。
賞与
私の大学では今年度から支給されることになりました。
年額で給与1ヶ月分です。
休暇等
年次有給休暇のほか、特別休暇があります。
災害補償
あります。
社会保険等
被保険者の基準に達している場合は、健康保険、厚生年金、雇用保険に加入します。
給与イメージ
時給1,320円、月126時間勤務、超過勤務なしで、通勤手当を除く手取り給与が約13万3千円です。
勤務日数が多い月にある程度超過勤務をこなすと20万円前後になることもありますが、逆に勤務日数が少ない上超過勤務がなければ、13万円を割り込むこともあります。
金銭感覚は人それぞれですが、一生の仕事にするにはなかなか厳しい条件ではないかと思います。
まとめ
非常勤職員(短時間勤務有期雇用職員)は週に30時間働いて、手取り月収約13万円(通勤手当を除く)です。
少しはイメージしていただけたでしょうか。
次回更新では、非常勤職員への応募を検討されている方に向けて、大学で非常勤として働くメリットとデメリットについて書こうと思います。
それでは今回はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。